ポーランドにおける罪と贖罪と赦しとは、映画「聖なる犯罪者」を観た

福岡ならミニシアターで上映するだろうし、そうなると西鉄で天神に出ないといけないし、緊急事態宣言が出ているから無理だろうと諦めていた。すると、地元のシネコンでも遅れて上映が始まると知り、奥さまを自転車に乗って観に行った。

ポーランドを舞台しにした物語で、少年院を出たダニエルが紹介された製材所には行かず、近くの村の教会で司祭であると嘘をついてしまって……、というお話。

この作品では、いくつもの罪が扱われていて、それが小さな村の社会の空気を覆いこんでいるよう。そこに偽司祭のダニエルが登場することによって、歪みが生じて心の傷があらわになる。ダニエルが根本的に“ダメな人”であることから浮き立たせた問題だ。

そこに僕が見たのは、“その土地”における罪と贖罪と赦しについて。ポーランドということはカソリックなんだけど、いわゆるハリウッド映画的というか、アメリカなプロテスタントにおける、神との契約や赦しとはニュアンスの違いを感じた。

強引に似たニュアンスを感じたものを思い出すと、アンジェイ・ワイダ監督の初期作品を観て感じたニュアンスに似ているような気がする。韓国のプロテスタントカトリックがごちゃまぜなのとも、罪と贖罪と赦しが、さらに違ってくるんですよね。

観る者にいろいろとぶん投げてくる、面白かったけど、なかなかに難しくもある映画です。

それにしても、今年初の映画館が2月末日になってしまうなんて、まったくもって寂しいご時世になってしまいました。

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