音楽と色彩、そして、喪失と再生の映画「WAVES/ウェイブス」を観た
洗濯を2回やっつけて部屋干ししたら、奥さまと西鉄に乗って天神へ。中洲川端方面へ歩き、中洲大洋劇場で映画「WAVES/ウェイブス」を観た。この小屋で映画を見るのは「ミッドサマー」以来だから5か月ぶりかな。
若者の青春を描くのかと思わせといて、厳格な父親と義母、高校生の兄と妹という黒人の4人家族をめぐる、ファミリーツリーのような物語。
レスリング部のエリート選手で、美しく楽しい彼女がいて、すべての“希望”が手に入りそうな男子高校生、タイラー。しかし、そのすべてがほころび始めると、自分を見失っていき、残ったものはエゴイズムと悲しみだけ。止まらない涙を流しながら、タイラーは過ちを犯してしまう。
一方、妹のエミリーは兄の過ちにより、すべての“希望”を失ってしまいそうに。そこに現れた男子高校生、ルークとの出会いによって、自分として生きることの意思と、自己への信頼を得ていく。
兄と妹の違いとはなにか? それは自分ではない他に思いを馳せることが出来るかどうか。エミリーはルークによって、自分ではない他の悲しみを知り、寄り添うことにより、自身の悲しみも乗り越えていく。
間違っても泣ける青春映画ではないし、面白いから観て! なんて感じに万人にお勧めはしない。受け取り方がいろいろあって、受け付けない人もいるだろう。でも、いろんな気付きのある、刺激的な映画でした。そして、Alabama Shakesの楽曲の通り、「Sound&Color」な世界を愉しめました。