遠き地より悲しい知らせ

午前中に掃除を済ませ、昼飯は奥さまのリクエストでソース焼きそばを作る。散歩ついでに六ツ門のドラッグストアまで買い物に出たら、午後は原稿書き。

作業の途中、なんとなく覗いたFBで、僕の師匠筋にあたるカメラマンさん経由で、タイに移住されていたカメラマンのSさんの訃報を知る。

この前までタイの美しい風景の写真をSNSで披露されていたので、にわかに信じることができなかったけど、しばらくすると、Sさんに近い方が詳しい状況をコメントされていて、その死の現実から逃れることができなくなった。

Sさんを初めて知ったのは、会社員の頃、編集長から白夜書房に行ってグラビア用のポジを借りてこいと命じられたときだと思う。

そのグラビア写真を撮ったのがSさんで、こんなに女のコを可愛く撮れてしまえるのかと感心した。のちにSさん独特のポージングとして知られるディレクションなど、美少女系エロ雑誌のグラビアに大きな影響を与えた人だった。

その後、僕が働いていた版元も美少女系エロ雑誌を出すようになり、Sさんと仕事する機会が増えた。

そして、編プロで働くようになると、白夜書房(のちのコアマガジン)の方と仕事するようになると、Sさんの若き日の仕事っぷりなどを訊いたりして、Sさんをより近くに感じるようになった。

印象的なのは、撮影の後の打ち上げで、高田馬場の薩摩料理系の居酒屋に飲みに行ったときのこと。飲んでいると、自然に白夜書房の若手編集者の方が集まってきて、彼らに慕われているSさんに、人としての温かさを感じた。

ちょいとチャラくて遊び人っぽいけど、仕事には厳しくて、撮影現場での言動は、カメラマンとしても編集者としてもお手本になった。

最後に会ったのはタイに行かれる前の送別会だった。優しくって、ちょっと寂しそうな瞳が忘れられない。

追記 01-28)FBのコメントによると、Sさんは病いを患われ、リハビリで日本で過ごしておられたという。送られる方も送る方も、近くにおられたことは、良かったのかもしれない、