自分であることを肯定してくれた漫画家、吾妻ひでおさんが亡くなった

洗濯したり、ルンバの掃除を見守ったり、奥さまの買い物につきあったりしつつ原稿書き。なかなか構成がまとまらず、書き始めたのが夕方で、仕上げて納品したときには日付が変わっていた。


昼過ぎ、TwitterのTLで吾妻ひでおさんの訃報が流れ始める。ご自身のTwitterで入院闘病中であることも知っていたけど、69歳、亡くなるには早すぎる。

あじま先生(あえてこう呼ぶ)との出会いは、中学の時に読んだ週刊少年チャンピオンの「ふたりと5人」だった。スラップスティックなギャグと展開がめっぽう面白かった。

それからしばらくはギャグ漫画家としか思ってなかったけど、高校生になって読む雑誌が少年誌から青年誌やSF系漫画誌、漫画アニメ専門誌などに増えていくと、不条理な世界やSF、美少女漫画も描かれていることを知った。

その中で描かれる“不気味”は僕にとっては特別なキャラで、集団の中にまじっていても、いつの間にか浮いてしまう、理解できない“いづらさ”が不安だった自分を「それでもいいんだよ」と許容してくれるよう気がしてた。どれだけ、生活していくうえでの息苦しさから開放してくれたことか。

不気味だけでなくい。あじま先生が描く、路地裏や街かどの隅っこにいる、どうしてそこにいるのか不可思議なキャラが好きだった。それらは、同調すること、分かりあえることだけが、正しさではないよと、励ましてくれるようだった。

ありがとうございます、そして、さようなら、

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単行本はほとんど初版で買っていたのだけど、引っ越すたびに古本屋に売って処分していたので手元に残っていない。寂しいけど、「失踪日記」以降の新作とアンソロジー本を読み返して追悼します。今日からしばらくはお酒を控えることになりそう