無くした場所を懐かしむ雨の日の散歩

夕方、原稿を1本分書きあげて担当さんに送信。雨が降っていたけど、傘をさして散歩に出る。

西鉄の線路沿いを歩き、以前、角打ちがあった場所を眺める。こんな、あてもない散歩の日、夕餉の支度をする前に軽く飲めた店だった。店主や常連さんと挨拶を交わし、テレビをチラ見しながら飲む酒は愉しかった。

会話しても、しなくても、そこにいるだけで愉しい場所がある。それは僕にとって、なんと大切で愛しいことだったか。ビニール傘に雨粒が落ちることを聞きながら思った。