悲惨な過去を乗り越えるには、切り捨てるのではなく、愛して内包する、ということ。映画『ブリグズビー・ベア』を観た
奥さまがお休みの日なので、いつもより遅めに起きて、洗濯を2回分やっつけたり、スーパー「マルキョウ」の朝市で今週分の食材をまとめ買いしたり。
休みといっても、世間様のようなお盆休みではなく、普通にカレンダー通りのお休みなんですけどね。
昼飯後、Amazon Primeで奥さまと映画『ブリグズビー・ベア』(原題:Brigsby Bear)を観る。赤ん坊のときに誘拐された男・ジェームスが25年ぶりに家族のもとに戻るってお話なんだけど、誘拐した男と女がジェームズに強いた、外界から遮断されたシェルターでの生活が特殊すぎて、なかなか“普通”の生活に馴染めない。
その最たるものが、教育用に見せられていた気ぐるみ人形の連続ドラマ『ブリグズビー・ベア』で、ジェームスは世界中の人がソレを観ていると信じていたのに、実は誘拐した男が独自に創作した、ジェームスのためだけのドラマだった。
キッチュなキャラクターが冒険を繰り広げる『ブリグズビー・ベア』は、ヘンテコなのに、なぜか惹かれるドラマなんだけど、これがアンデンティティの根底になっているジェームスは、“普通”の社会では変人扱い。ソーシャルワーカーのお世話になりながら、家庭や社会に馴染んでいけばよかったのに、いきなり両親と高校生の妹・オーブリと暮らし始めるものだから、うまくはいかない。
ジェームスがこれまでの人生を見つめ直し、改めて受け入れる。そして、家族や世間がジェームスを受け入れるためには、どうすればいいのか? そのために使われるのが映画なんですけど、受け入れていく過程に、映画の愉しさ、優しさが存分に描かれていて素敵。
知り合う人たちが良い人たち過ぎて、そんなに上手くいくかいなとも思ってしまったけど、そのおかげで、同じような監禁モノ映画『ルーム ROOM』よりも、ホンワカとした展開になっている。ジェームスの再生の物語であり、一風変わった父親超えの物語です。
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