不完全ゆえの美しさと、それぞれの愛情が錯綜する痛みと……、映画『レディ・バード』を観た
いつものようにスーパー「マルキョウ」の朝市へ、今週分の食材をまとめ買いしに行ったのだけど、なぜか、定番のキュウリをかい忘れてしまう。ぬか漬けにしてる分はまだ残っているから大丈夫だけど、サンドイッチやサラダに使う分が足りないので不安。火曜日にミネラルウォーターを買いに行くときに、忘れないようにしなくては、だ。
買ってきたものを冷蔵庫や保存用の棚に入れると、奥さまと西鉄に乗って天神へ。2016年に開店して以来、ずっと気になっていた大名の「Sakeと肉山」で昼飯。僕はチーズハンバーク定食、奥さまはリブロースステーキ定食。どちらもスープが付いていて、サラダとご飯はおかわり自由。そのうえ、300円のミニカップジェラートが100円で食べられるので、かなりCPが良い感じ。もちろん、肉も食べごたえがあって満足。アルコール類も300円で飲めるのも嬉しい(飲まなかったけど)。
お腹いっぱいになったところで、中洲川端方面へ歩き、中洲大洋映画劇場で『レディ・バード』を観る。2002年、サクラメントにあるカトリック系の高校に通っている、クリスティン、自称“レディ・バード”の17、18歳の物語。
彼女になにかと厳しい母親とは、いつも言い争いになっていて、まるで、組み合わされるはずのパズルのピースが、知らないうちに歪んでしまったように2人はうまく噛み合うことができない。
愛したいのに、愛してほしいのに。思うようにならないのは、未完成であり、不完全である故なんだろうけど、それが切なく、美しい。
十代特有の「自分だけは特別、輝けるはず」という、根拠なき自己愛が、痛々しくも可愛らしく、自分の十代の頃を思い出して、ちょっと胸がチクッとなった。
先日観た、エドワード・ヤン監督の『台北ストーリー』のように、その時代の平凡な風景を切り取っておくことの重要性、その美しさに似たような魅力を感じた。