諦めてなんかいない

午前中はシーツ類を洗濯したり、スーパー「マルキョウ」で特売のお米を購入したり、宅配便を受け取ったり。
早めに昼飯を済ませ、自転車でJR久留米駅へ向かい、筑後船小屋駅へ。タマホームスタジアム筑後カープとホークスのウエスタンリーグ公式戦を観戦。試合のスケジュールをチェックしたら、このスタジアムで観戦できるカープ戦は今日が最後になるみたいなんで、ちょいと無理をしてでも行きたかった。それは、一軍に上がることなく、二軍でくすぶったままの選手たちが、このまま引退してしまうかもしれない、最後のユニフォーム姿を観ることになるかもしてない、そんな思いからだった。

スタジアムの内野自由席は強い日差しをダイレクトに浴びて、油断してシートに座ると「あっちぃ!」と飛び上がってしまうほどの灼熱。場内では回が変わるごとに熱中症に注意するようアナウンスが流れていた。

試合内容は先発の藤井投手が立ち上がりから打ち込まれ、締りのないゲームだったけど、ブルペン、そしてグラウンドで見ることができた選手たちの姿に、このスタジアムに来た目的を忘れ、いや、恥じたくなってしまった。

ブルペンでは永川投手が捕手からアドバイスを受けながら、腕のふり、肩の入れ方など細かく修正しながら、懇親の投げ込みを20球。汗を拭きながら、投げるごとに球がキレ、重くなっていく様子が内野スタンドから見ていても分かった。一軍の試合では打ち込まれることが多く、SNSなどでは心ない言葉をファンが浴びせているけど、投げ込む背番号20番を見つめながら、僕は彼を諦めかけていたことを恥じた。そうだよ、かつて、神宮球場で永川が登場した時、祈ったではないか、信じていたではないか。気合を前面に出すようなタイプではなく、ルックスもお世辞にのピリリと締まったタイプではなく、ボヤンとしてますからね。誤解されることはあるかもしれないけど、永川は気を抜いているわけでないし、諦めているわけじゃあない。

8回表、代打で登場した梵選手もそうだ。今シーズンは1回も一軍に上がることがなかったし、二軍でもシーズン前半はスタメンで使われることはなかった。どこか故障しているのか、調子が悪いままなのか分からないけど、もう駄目かもしれない、なんて僕は勝手に思ってしまっていた。でもね、打席に立つ姿、三塁で守備をする姿を見たら、そんな勝手な憶測をしたことを、これまた恥じた。たまらず、グラウンドレベルの客席まで駆け下り、「梵選手!」と何度も大きな声援を送った。そうだよ、梵選手が諦めてるわけないじゃないか。それをファンが勝手に諦めてどうすんだよ。

自分の力に限界を感じる時、もしくはチームから戦力外だと告げられるまで、選手たちは諦めないし、僕だって諦めずに応援するのだ。

そういえば、ホークスでは松坂大輔投手が1イニングだけだったけど、見事な投球を見せてくれた。もちろん、彼だって諦めていないと思いますよ。