ルーツを訪ねる旅でもある

いつもより早起きして、原稿を再推敲して納品。クーラーバックに保冷剤と缶ビール、ペットボトルに入れて凍らしておいた麦茶、レジャーシートを詰め、西鉄電車とバス、九州郵船ジェットフォイルを乗り継いで、壱岐へ向かう。
奥さまが「ひと夏に一度くらいは海水浴をしたい」って言っていたのと、僕の父方の祖父の出身地、つまり僕のルーツの半分でもある地を訪ねてみたかった、ってわけで奥さまの盆休みを利用して旅することにしたのです。
芦辺港に着いたら、筒城浜海水浴場の海の家「ビーチボーイ」マイクロバスが迎えに来ていて、山を超え、トンネルを抜けてビーチへ。送迎の予約は海の家、宿ともに3日前には連絡したほうが吉みたいですよ。
海の家は満員で、これも予約していた桟敷に荷物を置き、コインシャワーを改造したようなシャワールーム兼更衣室で水着に着替える。奥様用の浮き輪に空気を入れてもらい、シュノーケリングのセットを携えて海へ。筒城浜のビーチは砂が白く遠浅で波が穏やか。沖縄みたいに珊瑚がないから魚がワッと群れていることはないけど、鯛、ベラっぽいの、小さなフグ、舌平目みたいの、そして小さなエイが見られた。南国風のカラフルな魚は美しいけど、白い砂を保護色にしたような、白っぽい魚だって自然の生業(なりわい)を色にしたようで美しい。
僕はこの1年半、プールへ行けなかったことの欲求不満をぶつけるようにクロールでガシガシと泳いだのだけど、これって波が穏やかで身体を煽ることないから、楽しく出来ることなんですよね。50歳過ぎのオッサンにしては、遊びすぎってくらい泳いだら(海の家のオバちゃんにも「(夫婦して)よく泳いでたねー」って言われましたしね)、昼飯は海の家のラーメンとカレー。ラーメンは豚骨スープかと思ったら、意外にも醤油味の中太麺で、嬉しい誤算。やっぱり、海の家のラーメンといえば、昔ながらの醤油ラーメンが美味しく感じるんですよねえ。
3時くらいにシャワーを浴びて、着替えを済ませたら、海の家の方に郷ノ浦港まで送ってもらい、そこで、宿の車に迎えに来てもらい、湯本方面へ向かう。宿に着いたら散歩しようとか思っていたけど、泳ぎ疲れていたので、温泉に入って、部屋でビールやお茶を飲みながらボンヤリ。
晩飯は「九州ふっこう割 グルメプラン」だけあって、他のお客さんより、刺身の盛りも品数も多くて豪華。これでもかって出てくる料理にお腹いっぱい。壱岐麦焼酎の飲み比べができるセットがドリンクメニューにあったのも良かった。
食後、風呂に入ろうと思っていたのだけど、もう体力が残っていなくて、美しい月を眺めたら早めに寝た。