ゆっくり喋る人になってみたい

ニュースサイト用のネタを探したけど、面白そうなのが見つからなかったので、私的な要件を済ませておくことに。事務所移転のメールを送った際、ありがたい返事をいただいていた方々にご挨拶と現状報告をしたためて(「したためる」って漢字だと「認める」なんですね、単独だと「みとめる」と見分けがつかないなあ)、メールで送信。文調がしょぼくれ気味だったのか、余計な心配をかけてしまったようで、僕のことを心配する返事が帰ってきてしまい、慌てて『元気でやってます』と送り返した。
Sさんにもメールして、来週あたり基山へおうかがいする予定。小学校に上がったばかりの頃だったろうか、基山は祖父に連れられて山寺の滝にあたりに行った以来かな。参道の茶店で食べた冷やしそうめんが美味しかったのを覚えている。ピンクと緑の麺が入っていて、缶詰のみかんがのっかっていたっけな。


晩飯後、WOWOWでやっていたのを録画した「ザンジバルナイト」を観る。リリー・フランキーのプロデュースで歌い手さんがカバー曲と自分の曲を一曲ずつ歌っていくのだけど、昔懐かしい歌謡ショーのノリで面白かった。マキタスポーツと「夜ヒット」のアン・ルイスと吉川晃司のデュエットを再現した持田香織のアドリブには驚いた。アン・ルイスが吉川の足元にひざまずき、まるでフ◯ラするみたいな動きやったらしいんだけど、それをマキタスポーツ相手に平然とやってしまうんだもの。ヤルときゃあヤルんだなあ。
ステージも良かったのだけど、進行のリリー・フランキーが喋っているのを見て思ったことがある。あの人に感じる凄みって、喋り方から出ているのかもしれない。ちょっと脱力した感じの、ゆっくりした喋りだ。
威圧するように早口で喋る人も怖いけど、それって物理的な恐怖感っていうか、瞬間的な圧なんだよな。彼のように力を抜いて喋られた方が精神的ダメージが大きくて、深く長く、ゾゾゾゾっと迫ってくる。
たとえばチンピラが「舐めてんのか、コラ!」と迫ってくるのは、次に来るかもしれない暴力に怯えているのだが、その言葉そのものには怖さがない。暴力の記号として伝わってくるだけなのだ。
それを「あー、それって僕のこと舐めてます?」なんて、薄笑いしながら、ゆっくりと、力を抜いて言われると、「しまった、自分はなにかヤラカシタのか!?」と頭の中で言葉がグルグルと回り、足元がグラグラしてくる。浅はかさを見透かされたような気まずさに襲われるのだ。これは怖い。
こういうふうに感じるの僕だけなのかな…。


いざというとき、声高にならず、落ち着いて喋ることのできる人は強いなと思う。僕も真似してみたいけど、元来が早口でそのうえ吃り気味だからなあ(涙)。