おてんば娘は世界中にいる

作業の合間に下高井戸シネマで『少女は自転車にのって』を観る。家を出る直前、会員証を紛失したことに気付き、焦った。無料で再発行してもらえるのだけれど、5個たまるごとに無料招待券をもらえるスタンプを1個損した。

イスラム圏の子供が主人公の映画といえば、悲惨な状況でもたくましく生きる、なんてイメージを勝手に持っていたけど、本作はちょっと違う。確かに、戒律に縛られた少女たちが出てくるのだけど、女子校のルールを破ってオシャレをしたり、好きな男と逢引したりしているのだ。結局、学校にバレて退学の危機に陥るのだけど、彼女たちはふてくされているものの、泣き崩れるわけではない。こんなタイプの少女をイスラム圏を描いた映画で初めて観たような気がする。
主人公の少女も、子供が産めなくなると、女性には禁じられている自転車に乗ろうとするのだけど、艱難辛苦を乗り越えたわけではない(ポスターにはそれが奇跡のように書いてあるけど…)。観客に同情されることを拒否してるんじゃないかってくらい、こずるくて、教師(大人)たちに反発的な、はねっかりの少女なのだ。非イスラム圏のような自由はないので、彼女は憤慨するのだけど、涙を見せるのは1回だけで、だいたい、むくれた顔して通学路を歩いている。
詳しく書くとネタバレになるシーンだけど、花火が打ち上げられるシーンが印象的だった。「ブルー・バレンタイン」も切なかったけど、本作の花火も切ない。


少女は自転車にのって [DVD]

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