新成人の姿にほっこりして、映画『キル/オフ』にア然とする

一昨日のカレーの残りをアレンジして、昼飯にカレー南蛮蕎麦を食べたら、奥さまの買い物に付き合うついでに、六ツ門方面へ散歩。どうやら、シティプラザで成人式の式典が行われていたらしく、華やかな晴れ着姿の若者でいっぱいだった。

一時期、女性の着物には付き物だった、白くてモコモコしたファーを付けた女性がいなったのだけど、ブームが終わったのか、久留米では流行っていなかったのか、どっちなんでしょね。

あと、さすが福岡県の新成人ってことで、北九州市の流れをくんだみたいなド派手な集団がいて、以前の僕なら眉をしかめていたのだろうけど、なんだかホノボノっていうか、「今日だけは世界の主役は君だ!」って優しい目で見てあげたくなった。無邪気な姿にほっこりしちゃいましたね。


晩飯後、奥さまとAmazon Primeで映画『キル/オフ』(原題:Sam Was Here)を観る。カリフォルニアの砂漠地帯の閑散とした町で、突然、殺人犯に仕立て上げられてしまった中年セールスマン、サムの不条理なお話。緊張感のある映像で、滑り出しは良かったのだけど、ことごとく伏線が投げっぱなしにされ、最後まで説明的な描写はなし。奥さまは「なんでこんな映画を観たのか」と激オコだった。

でもね、こういうパズルのパーツを与えるだけで、あとは観てる人が考えてねって映画、僕が嫌いじゃないんですよね。勝手にアレコレ考えるのが愉しいし、裏切られた快感ってのもある。変態ぽいってけど。

印象的だったことを書き出すと、まず、空に光っていた赤いなにかは、何度も監視カメラのモニターが映されていたことから、監視カメラの隠喩ではないか。つまり、サムは監視カメラで見つめられた箱庭みたいな世界に迷い込んでしまったのでは?

また、登場する人物はすべてサムの思考の一部なのではないか。特にサムを殺人犯だと特定して、住民に襲うよう煽った、ラジオDJのエディとサムは人格の裏表で、この世界はサムとエディが作り出した地獄なのかも?

まあ、呆れるほど伏線のパーツが溢れていて、どうにでも受け止められるんですけど、あまり他の人に観た方がいいよって勧められる映画でないことは確かです。

キル/オフ [DVD]

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