疾走するしかない若者の愚かしさと悲しさ

映画『ルールズ・オブ・アトラクション』観た。

アメリカのある大学のクリスマス前くらいに開催される祭り(葉っぱ、白い粉、酒、SEXだらけの乱痴気パーティー)中のお話。出てくる人物はイケてない女のコ、駄目な男、馬鹿な男、ちょっと可愛そうなゲイ。いわゆる青春を謳歌している正統派の学生は背景にしかいない。彼らはそれぞれ好き勝手(ただし、自由ではない)に行動して、それぞれ最低の結果を迎える。若さの勢いで好き勝手に生きても、それは本当にヤリたいことではない。それに気づいたのか、気づかなかったのか、分からないけど、各キャラクターが時間経過するほどにカラッポになっていく。それは手紙が来なくなった郵便ポストであり、世界を白く無表情にしてしまう無慈悲な雪として表現される。そして、どんなにカラッポでも、ヤルべきことが分からなくても、その先に悲惨な結果が待っていても、若者は疾走するしかないらしい。

手法はとにかく斬新。途中で「わあああっ」って声が出てしまったくらい。


ルールズ・オブ・アトラクション [DVD]

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