生の裸を見た事がなくてもエロ本は作れてしまう、
昨日の日記で書き損ねていたのだけど、B誌編集長のY君からコアマガジンの「ビデオメイトDX」が休刊することを聞いた。広告収入の減少が理由らしい。最終号は広告頁が空いてしまうため、業界のよしみでB誌の版元からも広告を出すのだとか。
「ビデオメイトDX」といえば、持ち味が独特のAV専門誌で読み応えのあるインタビューや取材、コラム記事が多かった。同様にAV専門誌を編集していた僕としては、羨ましくもあり、薄っぺらい内容の雑誌しか作れない自分のヘッポコな編集力が情けなくなったものだった。
同じくAV専門誌の老舗「オレンジ通信」も無くなった。新作の情報はネットで入手できるようになったし、AV自体の売り上げが減少したことが影響しているかもしれない。しかし、それ以上にメーカーから提供される現場スチールへの依存が、雑誌の力を弱くしてしまったような気がする。
安価で手間もかけずに頁を構成できてしまう現場スチールは、エロ本編集者にとって麻薬のようなものだ。ましてや制作費を会社から削られ、手を出さずにはいられない。自分で取材すること、業界の人々から話を訊くこと、写真を吟味するとこ、編集者が新人の頃に自分のスキルをアップさせる大切な経験を省略させてしまい、生の裸を見た事がなくてもエロ本が作れてしまう状況が、この業界の土台を心細いものにしているのではないかな。