電話の向こうの声に覇気のない青年を想う、

やはりW誌のT君から請けた頁はネタ集めに問題があるということで、編集部のAさんからT君のとこへ差し替え(それでもスケジュールの都合で最低限に抑えたとのこと)指示が出たらしい。僕のところへも実際の担当であるMさんからネタ差し替えの旨の電話がきた。これがまた悲しくなるくらい元気のない声で、叱られてしょんぼりしているのではなく、元からそんな話し方なんだろうなって印象。ああ、このタイプを教育するのは難しそうだ。ていうか、使えるように育て上げる労力が無駄になるかも。もしかしたら、既にT君は諦めているのかもな。
そんなM君でなくても、仕事を覚えよう、出来る編集者になろう、なんて思いを抱くような仕事環境がT君のところにあるのだろうか。とりあえず拾ってもらった、でも、この先、自分はどうなるのか分からない。そんな心境なんじゃないかな。
若者に対して、仕事をすることの喜び、将来への野望、そんな持って当たり前の気持ちを持てなくしている職場はT君のところだけではないような気がする。


雪が降るという天気予報は外れ、冷たい雨が降り続いた、