ジギー・スターダストを聴きながら

原稿書きを16時前に終え、六ツ門方面へ散歩に出て、iPhoneApple 
MusicでDavid Bowieの1972年のアルバム「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」(原題だと長いですね)を聴きながら歩く。

1曲目の「Five Years」で中学の頃、初めて従兄弟にアルバムを聴かせてもらった時のことを思い出し、一番街に入る頃に2曲目の「Soul Love」が流れ始める。

勉強も趣味も部活も中途半端で、自尊心だけは高いのに実が伴っていない、冴えない10代を過ごしていた僕にとって、David Bowieの音楽はカッコよくて、沈みがちな気持ちを盛り上げてくれる存在だった。当時は“自己承認”なんて言葉はなく、自分に自身が持てないことにモニョッていた。あ、こんな言葉もなかったか。

そして、この前観た映画「Coda」でも使われていた4曲目の「スターマン」が流れる頃、六ツ門のくるめりあの前に到着。劇中で使われた訳詞テロップを思い出し、なんだか気分が尖ってくるというか、心の角が戻ってきて、なんだかむず痒い感覚を覚えた。

50代も後半になってきて、ようやく、無頓着という“おだやかさ”を身に着けたけど、それまでは、ずいぶんと生きづらかったものだ。それが若さであり、愚かさであり、Joni Mitchell の「Both Sides Now」じゃないけど(これも「Coda」で使われてます)、よく分からない人生の裏表だったのだろう。

www.youtube.com