名もなき普通の人たちの恐ろしさ、映画「異端の鳥」を観た

日曜日にしては早めに起きて、タオル類を洗濯して部屋干ししたら、奥さまと西鉄に乗って天神へ。kino cinema天神に映画「異端の鳥」(原題:Nabarvené ptáče / The Painted Bird)を観に行く。

第二次世界大戦中、ホロコーストを逃れてオバサンのもとに疎開した少年のお話。両親から離れて寂しくも穏やかに暮らしていたけど、オバサンが急逝してから生活が急転していく。

東欧のどこかの土地をさまよい、そこで出会った人たちに翻弄されていくのだけど、その悲惨さは翻弄なんてもんじゃなく、ユダヤ人差別もありつつ、その域を超えた迫害が彼の心を壊していく。

人の名前をめぐる壮絶なお話であり、人の尊厳を殺しに来る映画です。あと、ドイツ兵やソ連兵の中にだって優しい人がいるのに、名もなき普通の人たちが暴力的で、残虐なのが皮肉というか、恐ろしいですね。

作品の根本としては、原題の「The Painted Bird」の“塗られた鳥”の方が分かりやすいかもですね。

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