青春の酒、美少年は憧れの銘柄だった、

松本零士の漫画「宇宙海賊キャプテンハーロック」でハーロックの親友、大山トチローが呑んでいた酒が美少年だった。たしか、既に死んでいるっていう設定で、アルカディア号の中枢コンピューターに魂を宿しているんじゃなかったかな。黒くて貧乏臭そうな目をした鳥を傍らに、一升瓶を抱きつつ、お椀であおっていたのが美少年だった。当時(中学生の頃)は熊本の酒であることは福岡のテレビCM(『せいしゅんのさけー、びしょーおーねん♪』ってやつ)を見て知っていたが、実物は見たことがなかった。初めて呑んだのは、20代前半、日本酒ブームが起きた頃だったと思う。

昨年の汚染米の件で風評被害に会っていたのをニュースで知り、なんとか応援できないものかと、焼酎の宝山とともに呑み屋で見かけると注文するようにしていた。
それがこのニュースだものなあ…。「事故米騒動とは関係ない」らしいけど、一人の酒呑みとして裏切られた、そんな感じ。旨かったのにな、美少年。

美少年酒造:米の不正取引で裏金、社長「経営難から」
三笠フーズ大阪市)による事故米不正転売事件で被害企業となった熊本県城南町の美少年酒造(緒方直明社長)は3月31日、記者会見し、不透明な米取引をして裏金作りをしていたことを明らかにした。仕入れた1等米の一部を三笠フーズの関連会社、辰之巳(東京都中央区)に精米に出し、同社からは精米した3等米を受け取っていた。差額分は、辰之巳の社長だった三笠フーズ社長、冬木三男被告が美少年酒造を訪れ直接手渡していたという。
会見によると、緒方社長が就任した87年から07年まで、冬木被告から年間約150万円提供を受けていた。ただ、こうした差額分の提供は82年以前からもあったという。裏金は200万円を超えた年もあった。これらの金は帳簿には付けていなかったという。
美少年酒造は、飲食店への貸付金が焦げ付くなどして不良債権ができた。不良債権は90年ごろには約3000万円に上ったという。緒方社長は「良くないことだからやめないといけないと思いながら、経営の苦しさからやってしまった」という。
事故米転売事件で、美少年酒造は、辰之巳が殺虫剤に汚染された非食用のベトナム産うるち米を販売した酒造会社の一つとなっていた。その後、風評被害で売り上げが一時10分の1に落ち込むなど低迷。熊本県の提案で、県庁内で販売会を開くなどの支援を受けた。石破茂農相は「国が食用転用を見抜けなかった」と同社を訪れて謝罪もした。
緒方社長は「事故米騒動とは関係ない」としながら「応援をしてくれた人たちに大きな裏切りをした。本当に申し訳ない」と語った。進退については「対策を取った上で、責任を明らかにして時期が来ればけじめをつけたい」と語った。
(毎日.jp 2009/04/01)

【追記】
黒い鳥の名前はトリさんだった、そうだった。

http://www.toei-anim.co.jp/movie/999/character.html